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グラマン E-1 Tracer


 ニューヨーク航空博物館の機体達  第7回目は 1960年代に活躍した早期警戒機E-1 トレイサーです。 (撮影時期は2005年春)

 E-1 トレイサーは S-2 トラッカー系列を改造した 早期警戒機で、大きな お皿形レーダーを積んだ E-2Cホークアイのご先祖様です。 今はニューヨークのハドソン川に繋がれて空母博物館となっているイントレピッドにも 分遣隊が搭載され 冷戦時代からべトナム戦争で、大活躍しました。
 機体の原型になったのは、S-2トラッカーの輸送専用型C-1トレーダーなので、下面のラインが丸味を帯びたものとなっています。 1954年にNAVYから開発要求書がグラマンとチャンスボートに出され、結局、グラマンと1956年に製作契約が結ばれました。原型機はC-1Aトレーダー(Si 136793)を改造し、胴体上面に巨大レーダーレドームを搭載して 1956年12月17日に初飛行を行いました。量産型初号機は 1958年に初飛行し、1960年より、実戦飛行隊への配備が開始されています。総生産機数は88機。

 機体形としては、グラスファイバー製の巨大レドームの中にレーダーを装備したことによる重心位置補正のため、主翼前方の胴体が48cm延長されています。
主翼は上に折りたたむとレドームにあたってしまうため、後方折りたたみ式に変更され、垂直尾翼は水平尾翼端に2枚の配置に変更されています。
レーダーはヘイゼルチン製APS-82。電子操作員2名。設計年次が1950年代後半のため、索敵~誘導完成が自動化されておらず、マニュアルのため、使い勝手が今一よくなかった用です。
このため、高性能コンピューターを搭載し、戦術データシステム(NTDS)とのリンク能力を飛躍的に増した後継のグラマンE-2ホークアイの開発を加速し、E-1は1963年に生産が終了しました。ベトナム戦ではE-1とE-2双方が運用されていますが、技術の進歩は急速で 1970年には完全に退役をよぎなくされました。一方 E-2ホークアイは電子機器の近代化を重ねながら、海軍早期警戒機の中心として、また同盟国でも広く使われ 今だ 現役にあります。

 E-1トレイサー緒元
 エンジン ライトR-1820-82 (1525Hp) *2 ,
 全幅 22.1m,全長 13.3m,全高 5.1m,.自重 9540kg, 全備重量 12060kg,
 乗員 4名、最大速度 430km/h, 航続時間 7H。
 レーダー ヘイゼルチン製APS-82 毎分6回転、全周索敵。 探知距離 非公開 


(写真1)全景をながめる。バックパックのように背負ったレドームが巨大
主翼は長いため 後方にたたまれている。 


(写真2)機首 
S-2トラッカーとほぼ同じ。  


(写真3) ライトR-1820-82 レシプロ エンジン
プラグコードなども見える。


(写真4) グラスファイバー製の巨大レドーム、後部にはフェアリングがついていて、固定式。スマートな形態になっている。
E-2ではレーダーレドームのお皿ごと回転するが、E-1はレドーム内部でレーダー本体が回転する。 


 (写真5)主翼の折りたたみ部詳細
エンジン後部に USS INTREPIDの文字が見える。 
 

(写真6) コマンドセンターの窓越しに見たE-1
レドームの上に長細いフェアリングがあるように見える。
 

Vol.8 2009 Oct.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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