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連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー (第5回)

エッシー1/72  ミラージュF-1

by 鳥巣 Torisu           / 
   
<初めに>
ようやく暑い残暑も終わり天高く蒼穹の空が広がる季節になりました
モデラー諸氏は体調を崩されていませんか
これから美味い物が多く実る秋です
モリモリ食べて夏の暑さで消耗した体力の回復に努めましょう



<実機解説>
 デルタ翼機がトレードマークのミラージュシリーズの中で唯一デルタ翼ではないミラージュF-1は3や5のデルタ翼機の欠点であった「低速・離着陸」性能を解決する為に高揚力装置付き薄翼プラス尾翼を持つ通常形態の戦闘機として1960年代末にアメリカのTF30エンジンをライセンスして改良したアター9Kターボフアンエンジンを搭載する戦闘機として開発された。
 高翼面加重で低空性能に優れた戦術戦闘機として完成したがミラージュⅢEとジャガーAを戦術戦闘機として採用していたフランス空軍はとりあえず迎撃戦闘機として採用し1973年から1983年までに164機配備した。
 ダッソー社は諸外国への輸出も積極的に行いギリシャを始めスペイン・南アフリカ・クエート・イラク・リビア・モロッコ・エクアドル・ヨルダン・カタール(イスラム諸国への輸出の割合が高いのはフランスの国策であろうか)等の国に輸出され今でもまだ多くの機体が現役で使用されている。
 イラン・イラク戦争時にはイラク軍のミラージュF-1がエクゾゼを搭載してタンカー攻撃を行い、アフリカでの紛争では地上攻撃をしたり 1991年の湾岸戦争時自由クエート空軍のミラージュF1は同じ機体を使用しているイラク軍機と誤認されるとの理由で戦闘行動は制限されサウジ領空で連合軍へのアグレッサー機として使用されたという話もある。
 意外と戦闘経験豊富な機体でもある。



<キット解説>
 実はこのキットを最近入手するまでエッシーから72で発売されているとは知りませんでした。ハセガワやエレールそしてエァーフイックスの3社しか見たことがありませんでした。
エッシー最後期の特徴である繊細なパネルラインが全体にモールドされていて綺麗です。良く見るとかなり某メーカーのキットを参考にしている箇所が散見しますが唯一の凹モールドのキットなので大目に見ましょう

大きなランナー枠2つと適当に分割されているパーツ群オマケにグランドクルーが10名程付いて簡単にジオラマが作れる製品になっています。
デカールは若干滲みがありますが概ね使えそうです
マーキングはフランスとスペイン空軍の戦闘機型と機首に偵察カメラを搭載した南アフリカ空軍機(カメラパーツも入っています)の3種をチョイスできます。
 
 箱絵

胴体

小部品

デカール

製作開始

<コクピットから>
メインコンソール・コクピットフロアー・射出座席・ステイックの4点のパーツで構成されています。最近定番のエァークラフトグレーを塗りコンソールパネルにメータ類のデカールを貼ります。糊が弱かったのでクレオス製「マークセッター」を上から塗り密着させました。
 コクピット

<胴体と翼の組み立て>

 胴体と翼を結合します
合わせは普通で胴体と翼とエァーインティクの接合箇所に少々隙間と段ズレが生じたのでタミヤのポリパテで盛り付けた後紙ヤスリの#400~2000で削り出し綺麗に整形したら#1200の缶サフを吹き付けて一晩乾燥させました。

乾燥後キズが無いのを確認したら消えたモールドをトライツールのPカッタとテンプレートそしてモデラーズのマスキングテープを使い掘り直します。
このキットは細かな四角のモールドが多いので掘り忘れに注意してください
いくつか掘り忘れがおきてしまいました(苦笑)

<塗装とマーキング>
今回は製作時間があまり取れなかったので全面グレー一色という非常にシンプルな「スペイン空軍」のマーキングを選びました。
 インストには「ライトグレイ」と大雑把に書かれていたのでクレオス315番「ガルグレー」を選択しました
 初めに315番を全体に吹き付けます
色が乾いたら40番「ジャーマングレー」をパネルラインに沿って吹き付け影を作ります。
シャードウ吹きが乾燥したらパネルラインを残すように315を重ね塗りします。一辺に吹かず数回に分けて様子をみながら吹き付けます。
全体に薄らとパネルラインのグレーが残るぐらいに315の重ね塗りができたら塗装を終えます。

一晩乾かしたらエナメル塗料でスミ入れを行い少々てテカリの残る全体を引き締めます。

 デカールを貼り付け脚や脚カバー・ミサイル・ドロップタンク・アンテナ等小物パーツを取り付け半光沢を塗装し完成です。
パテ修正


サフェーサー吹き





<最後に>
 良くできたキットですがエッシー社特有のツメの甘さと言いますかF-104しかりこのミラージュF-1もキャノピーの形状に不満があります
 前のシールド部分が上から押しつぶされていて曲面が再現されておらず正面から見るとガックリしてしまいます。ここだけは某H社のキャノピーと交換しても良いでしょう。
今回もエッシー製ミラージュF-1を紹介する機会を与えて下さった編集部に感謝です





Vol.9 2009 Oct..        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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