Home > 今月のハイライト>米海軍現用機シリーズ No.14 A-1H スカイレーダー  (ハセガワ 1/72)

A-1H スカイレーダー  (ハセガワ 1/72)   

by 厚木の助さん        。



 ご無沙汰でございました。厚木の助でございます。桜のポカポカ春になるかと思いきや、ここ湘南でも三寒四暖ならぬ、桜の上にミゾレが降ったり、先日はクリーニングに一度入れたマフラーをまた出してきました。今年の春はことのほか寒く、まだまだコタツがかかせません。
「地球温暖化」というのは本当でしょうかしらね? なんでも策略好きのエゲレスの気温データ改ざんによる陰謀ではないかという話がラジオでも飛び交っておりますが、いかがなもんでございましょうか。
 ご隠居さんによりますと「当たらずとも遠からず」ってことかしら だそうで。 昨今では エコといえば、話題に上るのはエコロジーではなく、エコノミーのエコ。もともと価値の無かった2酸化炭素に排出権というもっともらしい証書をつけて 勝手に売り出している怪しい会社がたくさんあるとか。怪しい証書をありがたがって、買いあさっているのはモチロン オバカな日本でございます。排出権証書という紙切れ一枚がウン十億円。転売の打出の小槌で一儲けをたくらんでいる頭のいい強欲な方々がたくさんいらっしゃるようで たまりませんね。証券業界では数兆円の市場、千載一隅の儲けるチャンスなんて言って、排出権の先物取引相場やFXなんてそのうち登場されてくるようです。あさましいことでございます。
先般 目出度く奉行所に捕まった仮想通貨「円天」と全く同じ、「エコ」というお題目だけで売れないモノが売れる世の中、狂ってきております。
「エコの誰か」が太っていく一方で、日本の大多数が貧乏になっていく理屈でございます。
 
 
 一方、ヨーロッパは 大火山の噴火とかで、今年と来年の気温が数度下がることは確実なようなございます。自らを守ろうとする地球の力は あなどれません。氷河期に突入するかどうかは「怒れる神のみぞ知る」であります。

 ところで、ここ厚木近辺は、韓国の哨戒艇が謎の撃沈をしたとかで、それからは、偵察機やら、哨戒機やら、戦闘機やらが朝から夜までひっきりなしに飛び回っておりまして、爆音がやかましいこと。テレビもおちおち見られやしません。朝鮮だけでなく、あの平和だった泰国も爆弾テロが相次いでいるようで、不穏な空気をいやでも感じる昨今。平和ボケ?は日本だけのようで、ございます。ここらで、ドカンと一発なんて 冗談でもイヤですよ。   
 てなメチャメチャな前振りで、今月は 米海軍最後のレシプロ傑作艦攻 A-1H スカイレーダーにいってみたいと存じます。現用機シリーズをやろうとすると、レシプロですが、A-1ですから はずすわけには参りません。
このA-1も米空母の打撃戦力の中心として核攻撃任務についていた時代もあったのでございます。
1/72にはエアフィックス、フジミ、ツクダホビー、ハセガワとありますが、ここではもちろん一番新しいハセガワを取り上げてみたいと存じます。

実機について

 スカイレーダーは 大戦中のドーントレス、ヘルダイバー、アベンジャーの流れを汲む 艦上単座攻撃機として設計が始まりました。ダグラスのエドハイネマンを中心としたチームにより、1944年6月、「ドーントレスⅡ」として設計案がまとめられ、1945年3月18日に初飛行しております。当初から 急降下爆撃機としての運用が考えられていたようで、胴体下面と側面には開閉式の大きなダイブブレーキが取り付けられているのが特徴であります。  部隊配備は最初の量産型のAD-1が1946年12月から開始され、それから実に20年以上 レシプロにかかわらず、ベトナム戦争が終わるまで現役にとどまった栄光の攻撃機でした。
A-1Hは当初呼称AD-6として、AD-4の胴体を20cm延長し、内翼下のパイロンを前方に延長し、核攻撃能力を付加されています。713機が生産され、1953年から空母部隊を中心に配備されました。

ベトナム戦争時には多くが空軍にも移管され、コンバットレスキューの護衛任務などで活躍しています。もともとシンプルで頑丈なダンプカーのような機体に更に、胴体コクピットの横と下面には防弾版を追加装備し、生存性も高くなっています。
ベトナムでは 現在のA-10のご先祖様のような使い方だったのでしょう。大戦中のB-17を上回る爆弾の搭載能力に加え、4門の主翼機銃でバリバリとやられるのではベトコンの皆様もさぞや大変だったことでありましょう。


製作

 コクピット

 胴体

ハセガワのキットは新しいだけに、部品の合いもよく、全面スジボリの端整なキットです。今回は全くストレートに作っておりますが、ストレスもなく完成いたしました。
コクピットは 床板、座席、計器板とも うまくまとまっていて、内部をダークグレーに塗り、シートをオリーブドラブで塗り分けるくらいでよろしいでしょう。開口部が小さいだけに手を入れてもあまり見えません。ちまたでは、エデュアルド72-227なるエッチングパーツも売られており、凝る向きは徹底的に凝るのもオツなものでしょう。
 胴体左右はばっちりと合いますが、残念ながら、仮組みしてみると胴体下面の主翼後縁部と胴体の所で、ダンチ、スキマができます。主翼が落ち込まないように、胴体の内側にプラ板を貼っておき、ノリシロを追加工しておくと簡単に解決いたします。
エンジン排気管が胴体に一体モールドですが、カウルフラップに隠れてしまうので、そのままでも気になりません。


 翼

 カウリング

 主翼は 厚みも適当であります、上半角をつける時に、左右のバランスがとれるようにご注意の程 お願い申し上げます。
 フジミの1/70を見慣れている目にはどうしても横幅がぶっとく映りますが、おそらく実機はこんなものなのでしょう。あごの張り方がうーんとうなる部分もありますが、許しましょう。カウリングのシャッターは個人的な好みで削り取っておきました。どうしても、カウリングを覗き込んだ時にエンジンが見えないというのも気持ちが悪くてしょうがございません。

塗装

 塗装はNAVY機のハイビジといたしました。
上面 ガルグレー FS16440(Mrカラー315)
下面 ホワイト FS17875(Mrカラー316)
で、グンゼのMrカラー特色シリーズを使っております。
 
各部をペーパーでまじめに整形したため、キズ消しのため、どうらん代わりにグンゼ1000サフェーサーを下塗りに吹いています。
上面のガルグレーを先に全面に塗装し、その後、白塗装としました
 デカールを貼った後、使い始めのツヤあり状態とするべく、クリアを吹いています。翼前縁はダルシルバーとしました。頭当て後部のキャンバス部分はオリーブドラブ。
垂直尾翼上端はグリーン。衝突防止灯は透明プラ材を使いクリアーレッド。背中のアンテナブレードは写真を見ながら、黒つやけし、ガルグレーなどで塗り分けています。脚扉断面は赤のものもありますが、今回は白としております。脚をつけた後、爆弾架を 慎重につけましたが12個あり、曲がらないように接着するのに気を使います。機銃は金属パイプを組み合わせて再現いたしました。
 




完成した佇まい

 スジボリにちょいとローアンバー系の油彩で軽く墨を入れてメリハリをつけました。
VA-145のライオンは 1960年代発売されたフジミの箱絵で当時の少年の頭に刷り込まれたおなじみのマーキングであり、そのイメージが40年の時を経て形となりました。
 ブルドックがまさに脚をふんばったような印象です。単座にしては、アベンジャーを上回る大きさですが、不釣合いな小さいキャノピーです。パイロットはどうやってこれだけの大きさの機体を操縦したんだろうと不思議ですが、キャノピーがかなり前方にあるため、主翼に妨げられず、着陸時の視界は非常に良かったに違いありません。
鬼才エドハイネマンの魂が宿った佇まいであります。
今回はこんなところで、失礼つかまつります。
厚木の助でございました。 


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Vol.17 2010 May.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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