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「異形の翼」シリーズ (その1)
SU47 ベルクト  (ホビーボス 1/72)   

by 横田の角さん        /


北朝鮮北方海域で撮影されたSu47ベルクト  (Photo US NADC)

 一年ぶりのご無沙汰でございました。横田の角でございます。厚木の助さんの助っ人で、昨年は F-32,F-35実戦配備機で登場しましたが、「袖の下」が効いたのか、編集部から独自番組枠をいただけることになりまして、数回に渡り、「異形の翼」を登場させていただくことになりました。
 異形の翼と聞くと、「ゲテモノ」を連想されるようで、恐れ慄く向きもおありでしょうが、そこはそれ、虚実とりまぜ、進めてみたいと存知ます。
 さて、今回は静岡HSの合同作品展に向けて、 昨年秋、中国の新興メーカーから発売された ニューキットSu-47をさっそく作ってみました。前進翼が「雪風」していて、アニメキャラ的です。 スタイルはベルクト「ゴールデンイーグル」というよりも、まるで「カモ南蛮」。
 前進翼がいかしてますし、「戦闘機は強そう!」にしたいのは男の子の夢。実機のレドームは白のようですが、全身黒装束の実戦配備機としてみました。すると 忍者か 闇夜のカラス。
 箱絵




 コクピット

 胴体

 普通はコクピットから製作を開始するので、このコクピットで挫折してしまうことも多いのであります。部品点数も少ないので、胴体に組み込み、全体塗装後に塗装することにして、パス。
おもりだけは結構贅沢に組み込みました。
 上下接着すれば形になりまして、エアインテークが写真のようなもの。メーカーの調査?によれば、境界層分離版が側面と上面についているらしいのです。
怪しい調査だとは思うのですが、もちろんこちらも実物を見たことがありませんので、真偽判断がつきません。そのまま信じることにし、パスいたしました。
 

 翼

垂直尾翼

 主翼と、小さい水平尾翼の差込ベロは短く、強度がありません。ほとんど、イモ付け状態であります。これでは、実機で必要な前進翼のネジリ剛性はとても保てないどころか、「ガラスの私」です。「やさしく さわってね」と言われても、いじっているうちに、壊してしまうことは明らかです。  カナードも短く細いピンが申し訳程度にあるだけで、イモ付け状態です。ここは、いずれも1mmのシンチュウ線を埋め込み、補強工事を行いました。
一手間も二手間もかかる広東製ロシア機でございます。
 垂直尾翼も同様にシンチュウ線を埋め込み、補強工事を行いました。接着時は正面から見て、左右の傾きがバランスがとれることが重要であります。ジェット排気口も上部エアスクープも全て接着してしまい、Mrサフェーサー1000で下塗りして、機体の完成と相成りました。

塗装


 小生のコレクションの関係上、今回のミッションの完成プロフィールは「闇夜のカラス」でありまして、機体全面をつやけし黒で塗装しました。
 塗装を残しておいたコクピットですが、ロシア機の通例は、どぎつい青銀。と、わかっていても、そうはいかないのが人生です。 闇夜のカラスとの関係で、今回は黒に近いグレーを細筆でさしておきました。デカールはその後、ピンセットと綿棒を使って貼っておきますが、「キャノピーを閉めてしまえば、名人の作と遜色なし」と勝手にうそぶいております。
 脚収納庫は闇夜の整備性からホワイトだろうと判断し、排気ノズルは黒銀に。いずれも、機体にせっかく塗った黒を汚さぬよう、周囲をテープでマスキングして、筆塗りいたしました。脚カバー内部ももちろんホワイト。整備員が暗闇の中で頭をぶつけぬよう気を使っております。
 簡単な造りの脚柱はオレオが伸びきっていて、かなりというか非常に腰高になります。各脚柱を5mmくらい短くしてやると本当は良いのですが、面倒なので、マーいいかとそのままにしてございます。ハイヒールを履いた九の一忍者の風情となりました。

 
 
 




完成

 デカールは国籍マークと機種番号のみ。
秘密実戦配備機のいでたちでございます。
甲賀か伊賀か、それとも根来か。山深いロシアの秘密基地で、アメリカの男の子をたらしこむ訓練に明け暮れる忍者の姿が、なんとなく、前進翼が色っぽい両足開脚のエアロビ姿に見えてくる方は 正常な想像力の男の子でありましょう。
 武装が秘密で不明ですが、カメラ型のIRセンサーらしきものを機首に装備していることから、正対発射可能なIRホーミングミサイルをふところに隠し持っていることは確実でしょう。ベルクトのウソのような信じがたいマニューバビリティはテレビゲームの中しか見ることができませんが、必見必殺の最強実戦配備戦闘機ベルクトであります。
 そういえば、先日、北朝鮮北方海域で行われた嘉手納から上がったF22ラプターとの死闘はどちらに軍配が上がったのでしょうか。我々民間人には計り知れない世界でございます。
 では、今回はこのへんで失礼いたします。横田の角でございました。





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Vol.18 2010 June.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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