1939年9月ナチスドイツによるポーランド進攻で勃発したWW2は厳正中立を掲げるスゥエーデンに大きな動揺をもたらした。
WW2勃発当時におけるスゥエーデン空軍の主力機は本家のイギリスでさえ骨董品扱いされたグロスターグラジェーター戦闘機とホーカーハート軽爆撃機で構成されていた
WW2勃発と同時期にソ連とフィンランド間で戦われた冬戦争において義勇軍としてフィンランド側に参戦したスゥエーデンはこれらの機体で出撃したがもはや近代戦を戦える代物ではなく数回の出撃で壊滅状態となり複葉機の時代の終焉を悟った。 但しスゥエーデンは時代の流れを傍観していただけでは無くイタリアからRe2000戦闘機の購入を初め米英から第一線機の購入を進めていたがWW2勃発後唯一入手できたのはRe2000(60機購入)のみで非常に危機的状態に陥った。中立を掲げるスゥエーデンに第一戦機を売ってくれる国は無く1940年にJ21とJ22と言う2種類の戦闘機の自主開発に踏み切った。最初に企画されたJ21は推進式のエンジン配置とツインブームを持つ当時としてはキワモノ的なスタイルの戦闘機で周囲が危惧したとおりその開発は難航した。そこで白羽の矢を立てられたのが従来の戦闘機と同じ牽引式のスタイルのJ22であった。
J22は戦時急造の戦闘機として機体構造は国内のどこでも入手できる鉄鋼と木材を使った銅管合板で造られ開発やその後の生産には大きな問題が生じず早期の実戦配備が期待されたが戦闘機の要であるエンジンだけは当時のスゥエーデンには無く止むぉえずアメリカのプラット&ホットニー社の1065hp星型エンジンを無断コピーした物(後に事情を話しライセンス料を支払い解決した)を搭載し1942年9月に初飛行した。 |
|
欧州ではあまり見かけない空冷星型エンジンの機体は当時出現したドイツのFw190に酷似していたが他の機体に無い特色をJ22は持っていた。それは主脚を90度回転させて胴体に格納する事でこれにより翼に大きな燃料タンクを設ける事が可能となり小型機ながら1270キロの航続性能を有する事ができた。
1065hpのエンジンを搭載し575キロの速度と13ミリと7ミリ機銃各2門のスペックは各国の第一線機と比べるとかなり見劣りがするが中立を掲げるスゥエーデンの戦闘機の位置づけは領空を侵犯した航空機へ威嚇射撃を行い領空外へ誘導し退去を促すかそれが聞き入れられない場合は強制着陸を行わせるのが任務であり侵犯機の完全な撃墜ではないのでこのスペックで十分と判断された。
実戦配備されたJ22は先に配備されたRe2000機と共に領空に迷い込んだ連合軍やドイツ機を数多く空中逮捕しWW2が終わるまでその小さな身体を張ってスゥエーデンの空を守り続けた
機体性能
全幅10.00m
全長7.8m
エンジン 空冷星型プラット&ホイットニーSC31(1065hp)
最大速度575キロ
航続距離 1270キロ(機内タンク)
武装 13.2mm
7.9mm
各2門搭載
|