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 Home >今月のハイライト> 連載 世界の名作発掘(第18回) サニー1/72 PV-1「ベンチュラー哨戒爆撃機」

連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー (第18回)

 サニー1/72 PV-1「ベンチュラー哨戒爆撃機」

by 鳥巣 Torisu           /    

<初めに>

 2010も残すとこ僅か1月です
今年は後半から残暑や季節外れの寒さで体調を崩しがちで制作もままならない状態でしたが、こうして今年最後の制作記事を執筆できるのも多くの読者の方達や編集部の暖かいご支援のお陰です
 来年は体調管理をしっかり行い毎月魅力ある世界の名(迷)作キットをお届けしたいと思います
 本年もお付き合い下さりありがとうございました


<実機解説>

 ロッキード社が販売していた高速輸送機「エレクトラ」をベースに哨戒爆撃機として開発された「ハドソン」機はWW2が勃発しドイツ潜水艦Uボートの脅威にさらされたイギリスからUボートを制圧する為の哨戒爆撃機として大量の注文を受けた。
ハドソンを導入したイキリス海軍ではあるがその機体性能に不満を抱きハドソンの後継機として更なる性能を持つ新型機の開発をロッキード社へ促しその結果強力な2000馬力エンジン「ダブルワスプ」を搭載したPV-1「ベンチュラー」が誕生した
 当初ベンチュラーはイギリス海軍だけに配備されたが太平洋で日本軍と戦っていた米国海軍と陸軍が注目しその機数の殆どを太平洋戦線に振り分けられ、その高速性能と完備された航法・通信装置及び強力な武装でソロモン戦線から北太平洋のアッツ・キスカ島までの広大な戦線で哨戒の他・攻撃隊の誘導、爆撃あるいは夜間戦闘機として幅広い任務に使用された。
  哨戒機としては高速で運動性が良いので遭遇した日本海軍の「一式陸攻」を撃墜した機体も存在する。
 哨戒機という言わば目立たない影の薄い飛行機で、枢軸国側だと既存の飛行艇や中古になった爆撃機を転用する例が多いが米国では2000馬力級のエンジンを搭載し武装も強力で航法設備と通信が完備した新型機を投入出来たのは国力の成せる業かそれともUボート(潜水艦)への過度なる脅威が作らせたのか
ともあれWW2を勝つためになりふり構わない程の多種の軍用機を大量に生産した米国の底力を垣間見る事のできる機体である。

全幅  :20m
全長  :15.8m
総重量 :14.100kg
最大速度: 502km
武装  :12.7mm×48(旋回2.機首固定2)
      7.7mm(胴体下面2)
爆弾 :1.125kg
乗員 :4



<キット解説>

 1/100のF-14やミグ25を販売していたサニー(ひよこのマークがトレードマーク)が1980年代中盤に発売したキットで同時期には1/144のTu-22「バックファイアー」等も出しメジャーメーカーではありませんがキラリと光るアイテムを発売していました。
 モールドは全面凹モールドで全体的にカッチリとした印象を受けます
キャノピーの透明度も良く現在の外国メーカーの製品の標準レベル以上です
デカールの発色も比較的良いのですが国籍マークの白い個所が若干透けているのが気になる所でしょうか
 インストは丁寧に書かれていて細部部品の塗り分け指示も明確でビキナーの方でも作れるよう配慮されています
透明パーツ
箱絵

胴体パーツ

制作

<コクピットから>

コクピットフロアー・座席・操縦管・計器板・隔壁の5点構造です
各パーツの出来は当時の標準な出来です。
 外からは比較的見えるので座席にシートベルトを付けると良いアクセントになるでしょう(今回は何も付けておりません)
 コクピットと胴体内部は昔ながらのMrカラー「27番・機体内部色」で塗りました。

<胴体と翼の組み立て>

コクピットを組み終わったら胴体へ取り付けます
 取り付け後胴体へ観測窓のクリアーパーツを付けます
 クリアーパーツ側には接着剤を付けずに胴体側に接着剤を着けます
こうすればクリアーパーツを接着剤で汚すことなく着ける事ができますが 着けた後に位置をずらしたりするとクリアー面を汚す危険があるので先に窓とクリアーパーツの合わせを入念にしてから行って下さい
 クリアーパーツの取り付けが終わったら左右の胴体を張り合わせます
貼り合わせたら接着剤が固着するまで輪ゴムで縛り一晩置きます
 この間に主翼と尾翼及びエンジン部を組立てます
主翼・尾翼の上下の合わせは良好です
 但しエンジンカウリングと主翼の結合個所に段ズレが生じますのでパテを盛り付けて修正しました。

<胴体と翼の結合>

胴体が固着したら主翼と尾翼を結合します
主翼と胴体の結合は良く主翼側のツバを少し棒ヤスリで削るだけでフイットしました。
 尾翼は水平尾翼と胴体部の結合個所に大きな隙間が発生し合わないのでここもパテを盛り付け修正しました。

<塗装>

塗装はインストの指示ですと
下面が白・胴体がミデアムグレー・胴体上部・翼の上面がネービーブルーと指示されています。
いわゆるWW2中盤の米国海軍機の標準カラー「トライカラースキームー」です

個人的にネービーブルーを塗りたくなかったので
クレオス「367・ブルーグレー」を使い単色迷彩+汚しを施したお手軽塗装を目指しました。
しかし!
塗料瓶の撹拌が足りなかったのか何故か上澄みの濃い色で塗装してしまいブルーグレーともネービーブルーと言えない中途半端な色になってしまいました。
乾燥後「このカラーも良いかな」と気を取り直してパネルラインにMrカラー「ジャーマングレー」を吹き付けた後撹拌に失敗したブルーグレーをオーバースプレーして仕上げました。
 単色迷彩ですがそれなりに陰影の表現ができました。



<汚しとデカール貼り>

汚しはタミヤエナメル「セミグロスブラック」と「レッドブラン」を8:2ぐらいでブレンドした物で機体全体に筆で塗りテイッシュに含ませたエナメル溶剤で拭き落としました。
汚しが終わったらデカール貼りです
今回このキットのデカールは経年劣化が酷く使うのを躊躇いましたが尾翼の撃墜マークと胴体のノーズアートをどうしても使いたかったのでダメ元で使用しました。
かろうじて撃墜マークとノーズアートは貼る事ができましたが胴体のナンバー類は色がキバんでいたのと貼った直後切れてしまったので白いナンバーは上からタミヤペイントマーカー(白)で上書きし、黒のナンバーも端の部分が切れてしまったので同じくペイントマーカーの「艶消し黒」でタッチアップしました。



<仕上げ>

 デカールを貼り終えたら
キャノピー・回転銃座・アンテナ類を取り付けます。
最後に主脚と主脚カバー・尾輪を取り付けて制作は終了です。
仕上げに「半光沢」をハンドピースで吹き付けて乾燥させたら完成です。
 
哨戒機と言う地味な任務の飛行機ですが制作するにあたり色々と資料を見ると
奥の深い飛行機であると新たな発見が有りました。
今回も貴重なサニー社のキットを試作する機会を与えて下さった編集部に感謝です



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