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> LTV F-8E “Crusader” 製作記(Revell/Hase 1/48)>特集 世界の名機コレクションシリーズ No.15 F-8 クルセーダー>2026年1月号
LTV F-8E “Crusader” 製作記(Revell/Hase 1/48)
by Kiyoshi Iwama
(ひやめし会)
LTV F-8E “Crusader” (1/48) Hasegawa Box Art より
長期在庫品からレベル-ハセガワ(以下モノグラムと表記)のF-8E クルーセイダー(1/48)を取り出し、製作しました。ハセガワのキットもあるのにこのキットを取り出したのは、我々世代に潜むモノグラムキットへのある種の憧れからかもしれません。確かに今の目で見ると、細部のディテールには唸るものがあるものの、作り出すと部品の合わせ目などには結構荒いところがあり、しかも凸モールド、美しく仕上げるにはそれなりの覚悟が必要です。
今回、ハセガワでなくてモノグラムのキットになったもう一つの理由は、主翼の折り畳みを再現してみたかったこともあります。
レジンパーツを使えば、ハセガワのキットでもより精密に主翼折り畳み状態を再現できますが、主翼を内翼と外翼に分離しなければなりません。クルーセイダーの主翼折り畳みラインは意外と複雑です。そんなこともあり、外翼と内翼が別パーツとなっているモノグラムのキットに敢えて挑戦してみました。
F-8E “Crusader” Monogram(1/48)
実機紹介
実機紹介は、本誌2018年1月号でハセガワのF-8Eの製作記事にて紹介していますので、それを参考にしていただき、本記事では割愛させていただきます。
Vought F-8E ”Crusader” 製作記(Hasegawa 1/48) <飛行機プラモデル製作<2018年1月号
製作
今回製作するクルーセイダーは、ベトナム戦争時代、南ベトナムのダナン基地に駐留していた米海兵隊の飛行隊、VMF(AW)-235 “Red Devils”の機体を選びました。そのため、デカールはキット付属のものでなく、CAMデカールのものを使用しました。その他、後部胴体アフターバーナー部の左右上部にあるエアースクープにクイックブースト製のレジンパーツを使用しています。以下に製作過程の概要を紹介していきます。
まずはパーツの状態チェックやパーツ間のフィットチェックから始めました。パネルラインは凸です。1/48スケールなら妥協できる範囲の太さで、部分的にはリベットが打たれています。敢えてスジボリを施すことなく、このまま製作することにしました。しかし、案の定パーツ間の合いの悪さや変形は各所に見られました。(写真1)は左右胴体を重ねたものですが、大きな歪みで左右のパーツ間に大きな隙間が空いていることが分かります。この修正は難しいので無理やり接着し、接合部に補強板を裏貼りして形状を保つことにしました。
(写真
1)
胴体パーツの歪み
そんなことで先行きが不安になりましたが、コクピットから攻め始めました。
1.コクピット
コクピットはサイドコンソールがモールドされたバスタブ形式で、主計器盤、操縦桿、そして射出座席から成る簡単な構成です。計器盤は塗装仕上げですが、以前製作したハセガワのキットで使用したエッチングパーツの残りとハセガワのデカールを利用して(写真2)の右側のように仕上げました。左側は操縦桿です。
また射出座席はプラ製に加え、金属製の部品が入っていたので、錘代わりにこちらを使用しました。(写真3)が塗装後の射出座席です。
射出座席と操縦桿は、最終組み立ての段階で取り付けました。
(写真2) 操縦桿と主計器盤
(写真3) 射出座席
2. 胴体
胴体は左右の大きなパーツと、機首のエアーインテイクを構成する3つの部品で構成されます。このエアーインテイクの構成方法はモノグラム独特の手法で、機首レドーム取り付け基部の円形部分を3分割し、左右胴体パーツとインテイクパーツがそれぞれ120°づつの円盤部分を有し、3つのパーツを組み上げ、レドーム取り付け基部を円盤状に組み上げるととエアーインテイクの付いた胴体が出来上がりという仕組みです。なるほどと思わせる反面、組みにくい仕組みです。
(写真4)は、コクピット部とエアーインテイクパーツを右胴体パーツに取り付けた状態です。この状態で機首のレドーム取り付け基部の円盤は240°分となっています。また(写真5)が、取り付けたコクピットを正面から見たものです。右側のペダルが見えますが、エッチングパーツを貼ったものです。
(写真
4)
コクピット部とエアーインテイクパーツを右胴体パーツに組み込んだ状態
(写真
5)
機体に取り付けたコクピット
この状態で胴体の左側パーツを取り付ければ胴体部が組み上がります。しかし前述のように胴体パーツは結構変形しているため、接着後セロテープでぐるぐる巻きにして固着するまで放置しました。(写真6)その後主脚収納部の開口している部分からプラ板を挿入し、胴体上下面の左右接合部に接着して補強しています。
(写真6) 胴体左右パーツを接合している状態
そして接着部分が完全に固着された後、主脚柱を取り付け(写真7)、下の外板との隙間を埋めるためプラ板を貼りました。(白い部分)
次に主翼取り付け部の修正を行います。主翼と胴体の仮組で分かったことですが、主翼を取り付けたときに胴体との間に隙間が生じていました。これを埋めるため、プラ板を胴体の取り付け部に接着し、現合で削り合わせを行いました。(写真8)白く見える部分がプラ板です。
その後、接合部を整形すれば胴体の工作は完了です。
(写真7) 主脚柱の取り付け
(写真8) 主翼取り付け部の修正
3.
主翼
主翼は今回最も力を入れる部分です。折り畳み部を作りこまなければなりません。所蔵する資料やインターネットで入手できる主翼折り畳み部の写真を眺め、ラフな設計をしてパーツづくりに入りました。
(写真9)は、部品を作るために作成したラフスケッチです。スケッチにあるように内翼用ヒンジを10個、外翼用ヒンジを12個、そして固定ピン作動用アクチュエータを2個、プラ板やプラ棒で作りました。またこれ等のヒンジを取り付けるため、内外翼の折り畳み部を追加加工しています。
(写真9) 主翼折り畳み部工作メモ
自作した部品を取り付けで出来上がった内翼の折り畳み部が(写真10)、
外翼の折り畳み部が(写真11)です。
(写真10) 内翼の折り畳み部
(写真11) 外翼の折り畳み部
これで主翼工作の山は越えました。後は胴体との取り付け部の隙間修正です。主翼下面側の胴体との隙間修正は前述の通りですが、、主翼上面部の隙間調整は主翼側で行いました。具体的には、(写真12)に示すように主翼の可動部分にプラ板を貼り付け、現合調整しました。
(写真12) 主翼と胴体の隙間調整
これで大きな工作は終了です。勿論、脚や脚カバー、キャノピーや風防、ウェポンなどの搭載物など小物の工作もいろいろありますが、詳細は省略します。
4. 胴体と主翼の結合
胴体と主翼の結合に移りますが、その前にいくつかのステップを踏みます。まずはインテイク内部をインシグニアホワイト(FS17875)で塗装し、レドームを取り付け、接合部を整形しました。(写真13)また主脚収納部下の外板を胴体下面に取り付けました。
(写真13) インテイク内の塗装とレドームの取付状態
その後、後部胴体上面にエアースクープを取り付けます。キットのパーツの吸入口には穴がないため、クイックブーストのレジンパーツを使用しています。(写真14)
次に後部胴体内側を焼き鉄色、外面をスーパーステンレスと黒鉄色で塗り分けました。(写真15)
(写真14) 胴体後部上面に取り付けたエアースクープ
(写真15) エンジン排気口周辺部
そして金属色を塗装した胴体後部をマスキングし、機首レドーム、機体下面と垂直尾翼のラダー部、主翼下面と主翼フラップ上面、ベントラルフィン、前脚収納部、脚柱や脚カバーなどをインシグニアホワイトで塗装しました。そして漸く胴体と主翼のメイティングです。(写真16)隙間を埋めたプラ板が白く見えます。
(写真16) 胴体への主翼の取付
5. 塗装
既に下面は白で塗られているので主に上面の塗装になりますが、上面の塗装の前に先に塗装する箇所があります。
まず、整形した時に剥がれたコクピットの防眩塗装、そして今回オープンにする空中給油受油プローブ収納部とその扉の内面うぃインテリアグリーンで塗装しておきます。その後上面部のライトガルグレイ(FS16440)部以外の部分をマスキングし、上面色を塗りました。マスキングの方が大変です。そして主翼、尾翼前縁の防錆コーティング部を銀塗装しました。またベントラルフィンの外側をインシグニアレッド(FS11136)で塗ります。マスキングを外した状態が(写真17)(上面)と
(写真18)(下面)です。
(写真17) 塗装が完了した機体上面
(写真18) 塗装が完了した機体下面
6. デカール貼り
デカールは前述したようにCAMデカールを使用しました。難関は凹凸の多い機首部分のデカールです。案の定失敗し、思案に暮れ、結局塗装することにしました。片側のデカールが残っていたので、それをベースに左右のマスキングテープを作りました。そして最初に白で塗装し、白のライン部分をマスキングして赤を塗装しました。(写真19)が白を塗装するためテープでマスキングをしたところです。
(写真20)が、赤を塗り終え、マスキングを外したところです。少し白のラインがデカールより幾分太くなりましたが、実機写真を見る限りまずまずです。
(写真19) 赤色塗装のため機首部をマスキングしたところ
(写真20) 機首部の塗装後マスキングを外したところ
次は星のマークですが、本来なら星のマスキングテープを作りそれを貼って赤の塗装をすべきですが、星のマークを切り抜く気力がなく、残っていた片方のデカールを白地のデカールにコピーして自作のデカールを作りました。それを切り取って貼り付けたのですが、白地のデカールが薄く、下地が少し透けてしまいました。が、ここは已むを得ません。(写真21)がデカールを貼り終えた機体で、(写真22)が機首部をアップしたものです。星の部分は下地の赤が少し透けています。
(写真21) デカールを貼り終えた機体
(写真22) 機首部のクローズアップ
7. その他パーツ
その他の機体パーツや搭載ウェポンについていくつか紹介します。(写真23)はベントラルフィンです。デカールも貼り終えた状態ですが、中央に真鍮線が見えます。ベントラルフィンはフィン上面を機体下側面の凹み部分に接着するのですが、接着面積が少なく、固定するのが不安でしたので、真鍮線のピンを付け、差し込んで固定するようにしました。
(写真23) ベントラルフィン(右舷側)
また風防やキャノピーは窓枠にシーリング材が取り付けられていますが、その部分はマスキングしてタミヤのエナメル塗料の白で筆塗りしました。搭載ウェポンは5インチズーニーロケット弾×8と750ポンド通常爆弾×6ですが、爆弾は搭載時に内側の弾がズーニーロケットのランチャーと干渉したため、4発に変更しました。ズーニーロケット弾はハセガワのキットからの流用で、取り付け位置を間違えた可能性もあります。
(写真24)は胴体側面に取り付ける5インチズーニーロケット弾とランチャーです。
また(写真25)は主翼に取り付けるパイロンにTERを介して取り付けた750ポンド通常爆弾です。写真は各3発取り付けた状態です。
(写真24) 5インチズーニーロケット弾
(写真25) 750ポンド爆弾
8. 最終組み立て、仕上げ
デカールを貼り終えた機体に多少汚しを加えました。パネルラインは凸ですが、エッジ部に墨入れすれば少しは流れ込みました。その後水平尾翼や脚類、そして空中給油プローブなどを機体に接着し、キャノピーとウィンドシールドを仮止めします。そして保護のための艶消しクリアーを、機体やウェポン類にオーバーコートしました。乾燥後それらを組み上げれば完成です。
(写真26)は完成した機体の主脚扉の内側ですが、精密に彫刻された部分に少しコントラストを付けてやるだけでリアルに見えるのがモノグラムキットの魅力でもあります。
また(写真27)は主翼の折り畳み部です。キットオリジナルよりは少しリアルになった様に見えませんか?
そして(写真28~34)が完成した機体です。
(写真26) 完成した主脚収納部
(写真27)完成した主翼折り畳み部
(写真28) 完成したVMF(AW)-235のF-8E
(写真29) 完成したVMF(AW)-235のF-8E
(写真30) 完成したVMF(AW)-235のF-8E
(写真31) 完成したVMF(AW)-235のF-8E
(写真32) 完成したVMF(AW)-235のF-8E
(写真33) 完成したVMF(AW)-235のF-8E
(写真34) 完成したVMF(AW)-235のF-8E
長年作りたいと思っていた機体を完成させることができました。実は学生時代の古い話ですが、模型仲間の友人がハセガワの1/72のキットをVMF(AW)-235の機体にして完成させたクルーセイダーを見せてくれました。素晴らしい作品で、そのイメージが脳裏に焼き付いていたんですね。いつかは自分も作ってみたいと。キットもスケールも異なりますが、漸くその呪縛から逃れることができた気分です。
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