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ダグラス F4D-1 スカイレイ  (タミヤ 1/72)   

by 厚木の助さん        。



 2ヶ月ぶりにお目にかかります厚木の助でございます。
先月は横田の角さんがF-32を紹介しておりましたが、なんとMIDWAY搭載機になっておるとはねえ。エジェクション・シートがファントムの旧型に搭載されたマーチンベーカーに換装されているというこだわり
も たまりませぬ。
 
 一方、実機のF-35の次の最新鋭機は15年先まで登場しないとのことで、寂しいことでございます。それも無人機になるとかの噂もチラホラ。
 というのは、空軍のF-22が早くも生産中止になる理由は なんと 次の無人機の開発が完了したから?とのご様子。もちろん、砂漠のスカンク秘密工場とやらでのことでありましょうが、そりゃー、戦闘機のG制約は 人間でございます。
人さえ 乗っていなければ、とんでもないマニューバーも可能になることから、勝ち目はありますまい。
 
 SF映画に「ステルス」という海軍の最新鋭無人戦闘機が活躍するお話がありましたが、現実のお話になってきたとはねえ。いやな時代になって参りました。願わくば、ステルス重視のブスでなく、メンクイであることを期待するばかりでございます。

 さて、メンクイの助といたしましては、今月は あの超音速艦上JET戦闘機
F4D スカイレイを取り上げてみたいと存じます。
 タミヤから 1998年に端正なスジボリの決定版が発売されております。はるか昔、AirFixから唯一ものの それはそれは素晴らしい1/72が出ておりましたが、これで、完全に過去のものとなりました。
私もAirfixには、エアインテークのあまりのすごさに恐れを無し、ストックに直行。それでも、脅迫観念から懲りずに3つも買ってしまった淡い思い出がございます。 
その思い出も、タミヤのキットの出現で、真珠の首飾りとなり、湘南の夏の波の合間に消え去りました。
 タミヤのキットは 1/48を1/72にスケールダウンさせたもの。合いは抜群。ただし、特徴だった主翼トリムは一体となってしまい、組立てやすくはなったものの、機体姿勢に変化をつけることができなくなりました。武装はサイドワインダーとロケットパック、増加燃料タンクと しっかり、付属しております。

 スカイレイの尾翼も無いSF的な変形デルタ胴体は、胴体と翼が溶け合った、いわゆるフライング・ウイングそのもの。エリアルールも何もあったもんじゃござんせん。しかし、ドイツのリピティッシュを父君に、若君には スペースシャトルへと継ぐ血統は 並々ならぬものがございます。
 ちゃらちゃらしたエリアルールのグラマー オネーチャンの佇まいとはチョイと違う、技術の血統、男の世界でございます。



■ 実機について

 1947年 海軍の艦上迎撃機要求に対し、ダグラスは ドイツのリピティッシュ博士の全翼式デルタ翼機を基礎に D-571プランを提出しました。これがスカイレイのデザインの原点となっております。ドイツからの戦利品として手にいれた技術はよっぽど有用だったようで、このスカイレイの他、F102、F106,ミラージュとこの時代に基礎設計された戦闘機は皆、リピティッシュ先生作ロケット機のそっくりさんでありました。

 1951年エドワーズで初飛行に成功。
全生産機数は 419機。
 海軍の15個のVF, 海兵隊の9個のVMFと 多くの実戦戦闘部隊に装備された主力戦闘機でしたが、全天候戦闘能力が不足したため、1963年 F3H-2 デモンと交代し、第一線を引退しております。厚木には VMA-114,-542を始め、多くの部隊が飛来し、古い世代には おなじみさんでございます。
 エンジンには当初 J-40を搭載したが、不調のため、量産型ではJ57を搭載しました。FCSはAero 13 を搭載し、武装は当初は4門の20mm砲のみでしたが、爆撃機要撃用に、2.75inFFIRのポッドを6箇所のハードポイントに装備できました。1956年にサイドワインダー(AIM-9B)が実用化されると ただちに搭載されております。 
 なお、主翼前縁に見えるフェンスは境界層板ではなく、ナイロンバリケードのすっぽ抜けを防ぐバリケードフェンスでございます。



製作

■ コクピット

■ 胴体とエアインテーク

 機首が左右、胴体は上下と分割が変則です。 毎度、コクピットから作り始めねば なりませぬが、バスタブのシンプルなコクピットで、計器板と操縦桿をつければよろしい。ダークグレーで全体を塗り、パネルを黒でぬれば 出来上がりでございます。おもりは釣り用を粘土でとめてしっかり放り込んでおいてください。  胴体はエアインテーク奥のエンジンファンを仕込み、上下を接着します。もっとも、のぞいてもほとんど見えません。
 主翼前縁のフェンスは 上下食い違いがあると、雰囲気台無しなので0.5mmプラ板で自作してみました。(写真)
カミソリのこで前縁に切れ目を入れて、大きめのプラ板を瞬間接着剤で固定します。固まったら、丁寧に 形状を出してやります。

主翼の断面形状はなかなか良いようです。 機首、エアインテーク部品共、ばっちりと胴体と合いますが、スムーズにつながるよう 入念に整形しておきましょう。
主翼のエルロン後縁は 少し、薄く削っておいてやります。 
胴体が完成したら、グンゼ1000番サーフェーサーを吹いて、表面をチェックします。もし、ひけ、スキマ などがあれば、溶きパテか瞬間接着剤をパテ代わりに使い、入念に修正しておきます。
プラ板を切れ目に接着する。


ペーパーで整形


サーフェーサーで下塗り

■ 塗装

■ 脚など

■ 完成した佇まい

 塗装は マイクロデカールを使って VF-74 Be-Devilers といたしました。 当時のNAVYの標準塗装で、上面  ガルグレーと 下面 ホワイトは グンゼカラーの特色を使っております。 
 レドームとアンチグレアは黒つやけし。主翼舵面はホワイトです。
垂直尾翼エッジに黒つやけし部分があります。また翼前縁はシルバーとしました。エアインテーク前縁とラダーはREDです。
 脚はモールドもよく修正点無し。オレオ部にアルミ箔をはってキラリ光物としておきました。アレスティング フックは 白黒の縞で塗りわけとなっています。
 武装は、クリーンとし、ランチャーのみ取り付けております。
 シートはキットのシートに板鉛で作ったベルトを追加。機首上部、前部キャノピー前のピトー管?は破損し易いので、金属線で自作しました。
  なんというか、この時代のNAVYJET戦闘機は現代には無い独特の佇まいがそそります。それが 魅力というか、製作意欲をかきたてらえるのでございます。
 それでは、ボロが出ないうちに、失礼つかまつります。










Vol.5 2009 June.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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