[実機について]
朝鮮戦争の勃発により、高性能艦上戦闘機の必要性を感じた海軍は、ノースアメリカン社に空軍のF-86の艦上機型を開発するように命じた。 最初の艦上機型 FJ-2は 兵装を 20mm機関砲4門につけかえ、主翼を折りたたみ可能に設計変更された。 しかし、長い滑走路を使う陸上機と違い、艦上機は空母から離着艦せねばならない。パワー不足のため、離着艦性能に問題があり、全て 米海兵隊に引き渡され、陸上基地で使用された。
改良型 FJ-3は パワーアップのため、イギリスのアームストロング・サファイアのライセンス版 J65-W-4 (推力 7600lb.)を装備し インテークを拡大し、胴体を太く再設計して完成した。
FJ-3フューリーで空母離着艦が可能となり、1954年から、アメリカ海軍と海兵隊の23個飛行隊に配備されて。幸いにして、実戦で活躍する機会はないまま退役を迎えた。
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続く、FJ-4は 胴体を大型化して、更に 燃料等裁量を増加させた。主翼も全幅を61cm増加し、翼面積を拡げたため、FJ-3までとは全然別の主翼形となったのである。
主翼を上面から見ると、F-86よりもF-100に近い形状をしている。エンジンは J-65-W-16A (推力 7,700lb)を装備して、パワーアップし、1985年まで生産された。
しかし、全天候運用能力を欠いていたため、しだいに他機に主力戦闘機の座をゆずり、しだいに 攻撃機的な性格を強めてゆき、最終型は 核兵器を積める戦闘爆撃機となり、FJ-4Bと呼ばれた。 FJ-4Bは後部胴体下面にエアブレーキが増設され、これが識別点となっている。
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