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■キットの概略
   ハセガワの 九七大艇は 今から約40年ほど前の1970年春に発売されたキットです。 ハセガワは当時、「長谷川製作所」と 呼ばれていた時代でした。1960年代後半から 1/72大型機シリーズと銘打って 二式大艇、試作爆撃機連山、B-47Eと 一連のシリーズを 年1作くらいのペースで発売しており、九七大艇はその最新作でした。
 このシリーズの選定機種は どれもかなりマイナー機種であり、一口に言えばマニア的。プラモ少年には知名度が無く、市場性は低かったと思います。現代では、このような冒険的アイテムを、リスクをかかえて発売することは まずないでしょうから、古き良き時代だったのです。
 特大箱ゆえ 模型店の一番上の棚に、誰が買うのか 買わないのか、いつも飾られており、大きな箱というだけで 模型少年の憧れでした。が、いかんせん、よく知られていないマイナー機で、高価だっただけに、今ひとつ手は届かなかったのでした。 私が購入したのは ずいぶん後の1990年頃です。箱を開けて、主翼部品の大きさに納得し、20年間 押入れにモスポールされていました。
 この大型機シリーズは 部品点数を抑えて 可動部も少なく、大型機でも作りやすく というコンセプトで設計されたキット達でした。九七大艇もパーツ点数は 95と比較的少なく、可動部はフラップのみ、凸リベット、凸パネルラインが端正なキットです。



  キットが設計された時代は 3次元CADなど もちろん無く、部品図は製図台の上で 鉛筆で書いた時代です。曲線は 多項式曲線でなく、曲線定規で引いていました。
 また、金型加工も 今のようなCAMはありませんから、職人さんが図面を見て、木型をあてて 曲面を加工していたわけです。
 このため、3次元となった 部品の合いも 現代の 楽なキットに比べると大変ですが、それでも かなりよく合う方だと 納得しておきましょう。 
 
 組み立ては ストレートに作るならば 1ヶ月で組むことも可能と思います。が、支柱が多く、吹きつけ塗装では マスキングが大変です。
 ということで、熟考?のすえ、なんと この大型機を 筆塗りで行くことにしました。 
 手順は、胴体、尾翼を一体にし、主翼と別に塗装する。マーキングも行った後で、主翼を胴体につけ、支柱を取り付け 全体を組上げ、最後に支柱と張り線をタッチアップ といった順です。

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 Vol.2 2009 Mar.       www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved     リンクフリー
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