スコッチウイスキーでジョニー・ウォーカーと言えば誰でも聞いたことがあるだろう。ジョニ赤、ジョニ黒のあれである。日本では1957年当時、ジョニ黒は1万円で売られていたそうだ。当時の1万円は大卒初任給の二ヶ月分に相当する。
その創業家出身で莫大な財産を手にしたロブ・ウォーカーが創立したのが ロブ・ウォーカー・レーシングチームだ。 1953年から1972年までF1グランプリに参戦していたが、コンストラクターではなく、クーパー、ロータス、ブラバムなどのシャーシを購入して参戦したプライベーターチームである。スターリングモスを擁した1958年から1961年が最も強く、モスはクーパーとLotus18を駆って優勝を重ねている。
1968年から1970年はロータスを用いていたが、1970年シリーズに使用した最後のロータスマシンが、今回紹介するLotus72C である。レーシングチーム伝統の塗装は スコットランドを象徴するダークブルーとノーズの白リボンであり、チームロータスから移籍してきたグラハム・ヒルがハンドルを握った。 |
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Lotus72Cは 60年代中期の典型的な葉巻型のレーシングカーLotus49を発展させたもので、ラジエターが 車体前面から車体後部エンジン脇に移り、フロントウイングと3枚翼構成のリアウイングが 新たに付加されている。
現代のレーシングカーの基本的な構成の源になったマシンである。
エンジンは名機フォードDFV3.0V8であった。
Lotus72はチームロータスで改良に手間取った結果、実戦参加が遅くなり、ロブ・ウォーカー・チームでは70年シリーズ後半のイタリアGP,カナダGP,アメリカGP,メキシコGPに投入された。
ロブ・ウォーカー・レーシングチームは71,72年シリーズはジョン・サーティスがドライバーとして参加し、サーティスTS7で戦うが、72年を最後にF1から撤退している。
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