DS19はベストセラーモデルゆえ、数々のバリエーションが登場した。
1957年 DSの仕様を簡素化した廉価型「ID19」
1958年 ワゴンタイプ
1958年 オープンモデル(デカポタブル)
と発展していく。
DS/IDはフランスを代表する大型乗用車であったため、フランス政府機関の公用車としても広く用いられるようになり、政治家にも常用されるようになった。中でも大統領だったシャルル・ド・ゴールがDSを公式に使用したことで知られている。
パレードの際には、屋根を取り外し、屋根から上体を出して手を振った。
(写真)屋根から上半身を見せるド・ゴール大統領 公用車なので漆黒のボディである。
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さて、1962年8月22日、パリ郊外の路上で、ド・ゴール夫妻が過激な右派軍事組織「OAS」により、機関銃で襲撃された際にもDS19に乗っていたのである。
弾丸はリアガラスを粉々に砕き、片方の後輪をパンクさせたが、DSはハイドロニューマチック・サスペンションでギュイーンと車高を上げ、前輪駆動により残る3輪で走り続け、現場を緊急脱出した。ド・ゴール夫妻は無傷で、OASの襲撃は失敗に終わった。
このエピソードは、フレデリック・フォーサイスの小説を映画化した『ジャッカルの日』冒頭でリアルに再現されている。
そんなことがあり、1968年には車体を更に大型化し、防弾・装甲装備を大幅強化した大統領専用の特別型DS「プレジダンジェル」が作られ、任期末期のド・ゴールに続いて後継ポンピドゥ大統領も使用している。
(参考及び写真引用 wikipedia) |